「25の小さな夢基金」で応援している少数民族の女の子たちには、サポーターとのやりとりを通して日本への親近感は勿論、日本語に興味を持っている子も少なくはありません。そんな生徒たちの想いや学校側の要望にこたえる形で、2013年3月、協会事業の一環としての日本語授業が始まりました。雲南省の公立高校で正式な日本語授業が行われるというのは、画期的なこと。日本語の勉強を通して、将来の日中関係を支えるような新しい概念を持つ若者が育って欲しい―それが協会の願いです。
日本語授業の講師を担当するのは、3年目の留学生活に入った平田栄一昆明特命支部長。これから毎週土曜日、1時間半かけて120名の日本語を勉強します。平田先生による第一回授業のレポートをご紹介します。
3月23日午後2時、春蕾生徒たちが待ちに待った日本語教室が紆余曲折を経て、目出たく開校の日を迎えました。
午後1時半、サポートをお願いした雲南大学滇池学院日本語学科と雲南師範大学日本語学科の学生諸君総勢49名が昆明女子中学の正門前に集合。同校8階の大教室へ移動し、早速、会場の設営にとりかかり、2時には春蕾生徒が勢揃い。受講生徒は、なんと総勢120名。全員1年生。学校の話では、受講希望をとったところ、予想外の受講希望者の多さにびっくりして、結局、1年生だけが受講を許可されたのだそうです。
それにしても、直前の水曜日になっても、受講生がいったい何人になるのか正確な数字は示されず、開催時間に至っては、当初の「土曜日の午前9時から10時半」から、突然水曜日の時点で「1時間しかとれない」となり、木曜日になって「午後2時から3時半」と二転三転。おまけに当てにしていた黒板もボコボコで使い物にならず、日頃忍耐強い昆明支部のスタッフもぐっと堪忍袋の緒を締め直して開校を迎えた次第です。授業開始早々こそ若干の混乱はありましたが、春蕾生徒たちの日本語に対する熱意と学習能力の高さにあらためて感心させられました。
次回は大阪から協会会員で現役の先生方4名がボランティアで出張授業を行ってくれることになっています。
多くの方々に支えられて始まったこの日本語教室は6月末までに計10回の講座が予定されています。昆明支部スタッフは、春蕾生徒たちがこの限られた時間の中で
★「ひらかなとカタカナ」の読み書きできるようになること
★日本語で自己紹介ができるようになること
★日本の歌を1曲唱えるようになることを通して、日本という国に、そして、日本語にさらに興味を持ってもらえるようにしたいと願っています。
(平田栄一=昆明特命支部長)
【講師】平田栄一昆明特命支部長【受講生】春蕾生1年生120名 【ボランティア】雲南大学滇池学院外国語学院日本語学科生40名、雲南師範大学外国語学院日本語専修生9名 【聯誼協会】中洲慶子、林娜 |