Home > アジア未来への人材プロジェクト > 第1回雲南大学生フォーラムを開催!

5月19日、雲南師範大学呈貢校舎において、第1回日本雲南学生フォーラムが開催されました。協会「未来への人材プロジェクト」の一環として、雲南大学滇池学院、雲南師範大学外国語学部日本語学科との共催で開催したものです。

第1回目のフォーラムは、「ドラえもん、鉄腕アトム、クールジャパン…日本人の創造性と日本経済」と題し、富士電機株式会社元会長の加藤丈夫さんと日本経済新聞社元副社長で協会顧問でもある新井淳一さんによる基調講演で開幕。

会場の雲南師範大学には大きなポスターが貼り出してありました
雲南師範大学・白蕊先生の司会でフォーラムがスタート

まず初めに加藤丈夫さんが前日、「25の小さな夢基金」の昆明女子中学春蕾クラス生徒に向けて講演された「子どものために一生を捧げる――加藤謙一の話」の核心部分を基に講演され、父上の加藤謙一さんが編集者として見いだした漫画家・手塚治虫や藤子不二雄が生み出した『鉄腕アトム』や『ドラえもん』が後の日本人にロボットを造る夢を与え、世界中の子どもたちの人気者になっていることを、そして、昔は「夢物語」であったことを科学技術の進歩がつぎつぎと現実化し、現代人がその恩恵を受けていることを講演して、新井さんにバントタッチ。

会場は日本語を学ぶ大学生122名により埋め尽くされました
加藤丈夫さんと新井淳一さん。日本の経済界を牽引してきたお2人が昆明に揃いました
加藤さんは手塚治虫や藤子不二夫を見出したお父様から日本経済へ繋がるお話
新井顧問は、創造性溢れる未来への展望をお話してくださいました

新井さんは、加藤さんの講演を受けて、過去のさまざまな事例を基に「未来を予測すること」は難しいとしながらも、現在低迷する日本経済について、「『ドラえもん』から『クールジャパン』に至る日本人の創造性がこれまでと全く違う経済を生み出すカギになる」と分析。続けて、近い将来の想像図として描かれている「自動操縦の自動車」や「住むだけで健康になる住宅」、「食料品の在庫管理をする冷蔵庫」、「飲み過ぎを警告するワイングラス」、「介護ロボット」などを例に挙げ、世界はハードウエアの品質競争からソフトウエアの優劣競争の時代を迎える、とソフトウエアの重要性を提起して講演を締めくくりました。

講演者はボランティアでご協力くださいました。本当にありがとうございます!
聴講学生からはひっきりなしに質問が。勿論日本語でのやりとりです

2部のフォーラムでは、学生側から「円安はいつまで続くか」「日本企業はどのような人材を求めているか?」「お二人の会社の理念、格言は?」「ロボットがあれば人間の労働力が不要になるのでは?」「未来のために何を勉強したらいいですか?」「日本人の創造性と日本経済にどう着目すればいいか?」などの質問がつぎつぎと出され、両氏は丁寧に応答。「今後発展するのはどのような分野?」の質問に対して、「日本は高齢者が快適に生きることができる社会を目指して、ハード、ソフト両方の開発に取り組んでいる。中国も同じ問題が目の前に迫っている。この分野でも日中でノウハウを共有できる」と日中恊働の可能性を示唆。和やかな雰囲気の中で第1回の学生フォーラムは終了しました。

情報網が発達したとはいえ、昆明は北京や上海などに比べて、学生が得られるビジネス情報は限られています。日本の一流企業経験者をお招きしての「学生フォーラム」は、当地の学生にとって新鮮な情報を手にする千載一遇の機会となりました。

第1回日本雲南学生フォーラム
ドラえもん、鉄腕アトム、クールジャパン…日本人の創造性と日本経済

日 時2013年5月19日(日)14:00~16:30
会 場雲南師範大学外国語学院 108教室
パネリスト加藤丈夫(元・富士電機株式会社会長)
新井淳一(日本経済研究センター理事、研究顧問)
ゲスト聴講者三木秀隆(協会会員/株式会社取締役社長)
安保尚子(上海日本人学校高等部初代校長)
佐伯義博(協会会員/古河機械金属株式会社東北支社長)
当日聴講者日本語を専修する大学生122名
(雲南師範大学61名、雲南大学滇池学院39名、雲南民族大学18名、雲南大学1名、雲南師範大学院3名)
逐次通訳高明(雲南大学滇池学院日本語学科講師)
スタッフ初鹿野惠蘭(認定NPO法人日本雲南聯誼協会理事長)
平田栄一(認定NPO法人日本雲南聯誼協会特命昆明支部長)
中洲慶子、林娜(認定NPO法人日本雲南聯誼協会雲南支部職員)
共催/協賛雲南師範大学、雲南大学滇池学院、メディネットインターナショナル(株)

ありがとうございました。

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