Home > 50の小学校プロジェクト > 候補地の視察・着工式 > 第12校目「日中曼等菜戸イ族完全小学校」建設現場視察

 2007年17日~23日、第12校目「日中曼等郷菜戸イ族完全小学校」建設現場視察および次年度支援候補地視察の旅が開催されました。

 プーアル市景東イ族自治県の山奥にある曼等郷、その支援第12校目「日中曼等郷菜戸イ族完全小学校」は、2007年6月、この旅で開校を迎える予定でしたが、例年よりも早い雨季の訪れにより工事が遅れ、開校が延期となり、急遽建設現場視察へと変更になりました。これまで支援を行ってきた小学校の中にも、雨季や悪天候の影響で、開校を延期せざるを得なかったことが幾度かあり、今後の課題点の一つとなっています。

 今回の視察には、初鹿野惠蘭理事長、北原茂実理事、小澤文穂顧問、会員の峰尾勝美さん、峰尾洋子さん、東京本部狩野、総勢6名が参加しました。また、現地パートナーとして、雲南省司法庁(※1)、雲南省帰国華僑聨合会(※2)にも同行いただき、日程調整や現地との交渉面で多大なご協力をいただきました。

 18日、一行は海抜2030メートル地点にある、日中曼等郷菜戸イ族完全小学校を目指して出発しました。
 約100キロの舗装されていない悪路を、3時間半かけてゆっくりと慎重に走行。ところどころ、数日前の雨の影響か、道を横断するように川が出来ていて、雨天時には非常に危険な道のりになるのではと心配されましたが、幸いにも天気に恵まれ、昼過ぎに小学校に到着しました。
 まだ足場が組まれたままの校舎と、「雲南省司法庁と、日本からの視察団を歓迎する」という垂れ幕、イ族の民族衣装を着た学校の先生方、村人たちが、笑顔で出迎えてくれました。

 2006年2月視察時に目にした、悲惨な校舎状況はすでになく、菜戸小学校は新たに頑丈で安全な小学校として、生まれ変わろうとしていました。
 今回の大きな成果は、中国の建築現場の途中経過を、協会だけでなく会員の皆さんも実際に見られたことにあると考えています。現地教育局、小学校周辺地域の村長から説明を受け、設計図や実際に建設現場を目でみたことで、建築技術の質に問題がないことがはっきりと保証されました。

 また、当小学校の支援にあたって、資金協力をいただいた北原理事からも、こんな山奥に、まだ未完ではあるものの、コンクリートでできた立派な校舎が建てられたことに大変感心しております、と感激の言葉をいただきました。

 しかし同時に、学校建設に関する指摘も出されました。
 雲南省の学校では伝統的に、トイレは建物の中には設置されません。その理由を、現地設計者は「トイレは衛生的でないので、建物の外に設計する」と語りました。
 それに対し、北原理事は「学校は勉強だけでなく、人間としての基本的な生活習慣を学ぶべき場所。トイレや水道は汚いから外に置くというのではなく、汚くしない、掃除をする、そういった習慣を育ててゆくべきだだ」と述べ、現地責任者もその意見に大いに賛同しました。
 すでに、未完の建築箇所について意見を取り入れることを約束し、今後の小学校の方針としても徹底してゆくことを誓っています。いただいたご意見は、協会にとっても一つの建設方針として、今後力を入れてゆく考えです。

現地イ族の子どもたちとの交流


 建築現場の視察を終え、学校からさらに30分ほどの場所にある人民政府の建物で、現在、開校まで別の学校に通っている菜戸小学校の子どもたちと交流しました。
 会員からの質問に、恥ずかしそうにしながらも、一生懸命答える姿に、一同顔がほころびます。また家を見たいという旨を伝えると、「ぼくが児童代表です」と、黄君と名乗った児童代表の男の子が、頼もしく案内をかって出てくれました。

 当小学校は来年完成予定です。足組みの残されたままの校舎がどう学校らしくなってゆくのか、とても楽しみですね。次年度支援候補地視察については、後日改めて、webサイトにてご報告します。どうぞ楽しみにお待ちください!

※1 雲南省司法庁:司法庁内に「扶貧(貧困者支援)事務所」という組織があり、これまでにも貧困学生支援、小学校支援等の活動を行っています。
※2 雲南省帰国華僑聨合会:雲南省出身の帰国華僑が中心となり、雲南省貧困地域への支援を行なう民間支援団体。


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