■4月19日(日)、協会の「小さな夢基金」支援校の昆明女子中学校を訪問しました。
文章は「開校式ふれあいの旅」の参加者で
当協会会員の平田栄一さんによる
(東京本部にて一部改変)
昆明女子中学校訪問
昆明女子中学校はおよそ100年の歴史をもつ名門校です。校庭の一角に創立者の呉女史を顕彰する石像が立っていました。20世紀初頭、呉女史が中国女性の自立を目指して私学を開講したのが、この学校の基礎であると記されています。中国にも津田梅子と同じ志を抱いた人物がいたことに不思議な縁を感じました。
昆明市内の賑やかな通りの一角、マイクロバス1台がかろうじて通過できる校門をくぐると、四方を鉄筋の校舎に囲まれた校庭に“春蕾(シュンライ)生徒”がそれぞれの出身民族の衣装をまとって出迎えてくれました。校内は清潔感が漂い、小春日和ののんびりとした雰囲気に包まれていました。
“春蕾生徒”とは、雲南省に暮らす少数民族の女子で成績優秀且つ進学希望を持ちながらも、貧困家庭ゆえに高等教育を断念せざるを得ない子供に教育の機会を与え、自立した社会人として育てることを目的に、1997年に設立された特別クラスの呼び名です。雲南省全土から選抜された中高校生がここで寄宿生活を共にしながら学んでいます。
バスを降りると早々に、2階の会議室へ案内され、「小さな夢基金」の基金贈呈式が始まりました。関係者の挨拶に続いて、初鹿野理事長から校長先生及び生徒代表に基金が贈られ、生徒から謝辞が述べられました。基金贈呈に続き、日本側の里親と里子である春蕾生徒との対面式が行われ、初めての対面に春蕾生徒ははにかみながらも笑顔で喜びを表していました。その後、教室や女子寮を見学してまわり、たまがわロータリークラブから贈られた雛人形を囲んで記念撮影。どの子もきらきらと輝く瞳とすばらしい笑顔に満ちていました。
式典終了後、学校近くのレストランに会場を移して、春蕾生徒を交えての昼食会が行われ、絶好の交流の機会となりました。食事をしながら、幾人かの生徒に将来の希望を問うと、「先生」「医者」「デザイナー」「音楽家」などの答えが返ってきました。誰もが「国や社会、故郷に貢献できる、役立つ人間になりたい」と言っていました。“大きな花を開こうとする蕾”のように、それぞれに大学進学、社会人へと夢と希望を膨らませています。どの子も未来に向けて、一生懸命に学んでいます。一人一人、将来への夢を描いています。それがひしひしと伝わってきました。
食事会も佳境に入った頃、生徒の有志が出身民族の歌や楽器演奏、踊りを披露してくれて、話も弾み、生徒たちとの距離が一気に狭まりました。「ボーイフレンドはいますか?」の質問に、全員が即座に「いません!」と声を上げて笑っていました。勉学に励む青春真っ盛り!の春蕾生徒たちでした。昼過ぎ、校門で生徒全員が名残を惜しみつつ、「また来てください」とお別れの歌を合唱して見送ってくれました。
お見送りをしてくれました
【写真提供】
掲載写真の一部は、平田栄一さんよりご提供いただきました。