Home > 50の小学校プロジェクト > 開校式ふれあいの旅 > 第17校目「茂頂小学校『日中友好望峰教学楼』」開校式

2008年5月30日、雲南省北西部の迪慶チベット族自治州、茂頂小学校に新たな教室棟が誕生しました。
 支援第17校目にあたる「茂頂小学校」は、少数民族・チベット族の小学校で、現在約140名の児童が学んでいます。この小学校にはすでに2つの教室棟がありますが、今回会員の峰尾勝美さんのご寄付で新しい教室棟が建設され、今まで遠い分校に通っていた児童も、本校で他の児童と一緒に勉強できるようになりました。

 恒例の「開校式ふれあいの旅」に日本側から参加したのは、会員・協力者と東京本部スタッフの18名。
  開校式の朝、出発する前に天気はいまいちで心配していましたが、小学校所在地域に入ると、そんなことが嘘のような晴れやかな青空が広がりました。茂頂小学校のある村は、シャングリラから車で6時間ほどのところにあり、徳欽県に属します。がたがたの道を3時間ほど揺れて小学校に着いたのは午後3時半頃、長旅でへとへとの一行を、村の前でおそろいのジャージと華やかな民族服装を着たチベット族の子どもたちと先生が、一生懸命手をたたいて迎えてくれました。

 開校式では、支援者である峰尾さんと佐藤さんからのご挨拶がありました。
 峰尾さんは日本で一生懸命中国語を習い、当日のご挨拶も自ら中国語でご挨拶されました。この心遣いに、現地の人たちも大喜び。30年前に抱いた、チベット高原に住んでいる子どもたちに何かしてあげたいとの願いがこの日にやっと実現できたこと、新しい校舎が立派なチベット人になるための勉強場になってほしいことなどを述べられました。
 佐藤さんは峰尾さんのご親友で、峰尾さんの学校支援行動に賛同してくださった方です。新校舎のための設備を寄付したいとのことで、100セットの机といすを寄贈してくださいました。佐藤さんのご挨拶でも、子どもたちが明るい新校舎で、新しい机を使って頑張って勉強してほしいとの期待が込められていました。

 開校式の翌日6月1日は中国の子どもの日ということもあり、子どもたちは一ヶ月前から準備を始めていた民族ダンスを、学前クラスから順番に発表してくれました。そのかわいらしさに心が和み、またその真剣さには感激しました。また、村の大人たちもこの日のために仕事を休んで来校し、式の進行を見守っていました。
 踊りの後、日本側参加者の皆さんから、文房具、ボール、お菓子などの贈呈式がありました。たくさんのプレゼントをもらって、子どもたちの顔は喜びに輝いていました。

式典は18時過ぎに終了しましたが、その後日本の折り紙を寄宿生と村の子どもに教えたり、じゃんけん大会をしたりして交流しました。子どもたちは初めて見る日本の折り紙に興味津々。眼を輝かせて、次々に折り上がる作品に見入っていました。

 夕食後、参加者の方々が作った白玉だんごと炊いた日本の白米が振舞われました。これは、先生と子どもたちに食べてもらいたいと参加者の皆さんがはるばる日本から持ってきたもので、日本の味を現地の皆さんに分かってほしい、日本という国をもっと分かってほしいとの願いが込められています。
 ご馳走への感謝の印として、学校側も「松明パーティ」を開き、皆一緒に輪になって踊りました。踊りを通じて日本人とシャングリラの子どもたちの心が通い合っていました。
 夜は、子どもたちともっと触れ合いたいという皆さんの希望で、現在は使用していない校舎で一晩泊まることにしました。寝袋の中で皆さんが見た夢は、きっと子どもたちの笑顔の夢だったことでしょう。

 翌朝、一行はこの地を離れなければなりませんでした。別れの挨拶に校庭に集まった子どもたちのかわいい顔、きらきら輝く目、また一晩の交流から生じた親近感……皆さんは離れ難い想いで、胸がいっぱいになりました。
 峰尾団長に校長先生から記念の旗が贈呈され、峰尾団長からもお礼の挨拶がありました。団長は感極まって涙ぐまれていました。生徒がこの善意の贈り物、新しい校舎で一生懸命勉強し、そして思い切り楽しく遊んで成長してくれることが何よりの恩返しになることでしょう。

お別れの日
子どもたちもちょっとしんみり
記念の旗を授与され
スピーチする峰尾団長

【現地パートナー】
 今回も雲南省側の大きなご協力があり、開校式を無事に終えることができました。特に学校建設に当たり当協会のパートナーとして大いに力を発揮してくださいました現地機関について、ここに感謝の意を込めてお名前を記したいと思います。

香格里拉県華僑弁公室 主任・李雪英

【写真提供】
掲載写真の一部は、旅行参加者で会員の安達武史さんよりご提供いただきました。


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