Home > 50の小学校プロジェクト > 開校式ふれあいの旅 > 第11校目「白雲小学校」開校式

 2007年5月20日、晴れ。一行が雲南省に到着する前の1週間ほどは、白雲小学校周辺の地域は雨が絶えず気温もなかなか上がらなかったとのこと。そんなことが嘘のような晴れやかな青空が広がりました。

中庭に集まった子どもたち
たくさんの人を前に、少しそわそわと緊張気味です

 白雲小学校のある村は、昆明市から高速道路を南へ3時間半ほど行った、建水県という地域に属します。村は、土を固めて作った家が立ち並び、水牛や鶏がその路地を行き交います。その赤茶けた村の中に、ひときわ目を引く立派なお寺のような門が見えました。これが白雲小学校の新しい校門。協力者の一般財団法人天真会からの資金協力を得て、当協会が校門の修復、宿舎改築を行いました。

昨年、初鹿野理事長がこの学校を視察で訪れた際、以前お寺として使われていたこの学校の門は取り壊す計画でした。しかし、この素晴らしい伝統の門を壊さないよう初鹿野理事長が強く要請し、結果、このような独特の立派な校門が出来上がったというわけです。
 門の前ではおそろいのジャージを来た子どもたちが一生懸命手をたたいて日本からのお客さんをお迎えしてくれます。

 開校式では、初鹿野理事長、そして支援者である一般財団法人天真会の青木宏之理事長からご挨拶がありました。青木さんは、日本と中国の交流の歴史の長さ、漢字が日中双方で影響しあってできていることなどを述べられ、子どもたちも真剣に話しに聞き入っていました。日本という国を意識したのは初めてだったのではないでしょうか。
 また、児童代表の挨拶では、文章を読むかわいらしい姿に日本側の参加者の緊張も和らぎました。

 この日は、日本人がやってくるということでこの地域全体が休日となり、まるでお正月のような盛り上がりとなりました。日本人を見るために、隣の山から2時間以上かけて来た、というおばあちゃんもいました。
 また、離れた町からは、お祭りの時の出店のような果物や乾物の店がならび、村を賑わせていました。

  午後からの子どもたちの家庭訪問では、貧しいながらも懸命に生きる村人たちの姿が見受けられました。そして皆、共通してとても明るく、笑顔を浮かべながら「食べて、食べて!」と手にいっぱいの向日葵の種を振舞ってくれ、参加者たちは、その優しさに大きく心を打たれたようです。
 今回訪問を通して目にしたこの村の中で、一番立派なのは学校でした。村には公共トイレが1つあるだけで、学校の中にさえトイレはありません。子どもたちの家は本当に簡素で、衛生状態が悪く、初鹿野理事長は雲南省の出身ですが、この村の状況には初めて視察に来たとき、言葉を失ったそうです。

 家は、人と家畜の牛が同じ部屋に同居するような作りになっており、この村の衛生状態が心配されます。トイレなどの状況や人々の衛生管理意識も含め、今後の改善の余地があり、どんな形で衛生状況の改善に協力ができるのか、協会にとっても新たな課題を発見できた開校式となりました。

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