独龍江郷巴坡村小学校調査
今回の視察の目的地、巴坡村は地元の中国人でも行く機会がほとんどない独竜江を越えた先にある村です。
独龍族(トールン族)は、中国に5000人ほど(2004年現在)で生活している最も人口の少ない少数民族です。彼らの生活する地域は、独龍江という、怒江州の中でも最西北の高黎貢山山脈に遮られ、隔離されたかのような地形になっています。
今回、初鹿野理事長一行は、今後の建設候補地である独龍江巴坡小学校を訪問しました。なかなか入ることのできない地域で、道のりは決して楽なものではありませんでした。
岩だらけの山道を車で5時間かけて越え、その後、車の通れない険しい岩道を両足で片道5時間歩き、小学校にたどり着きました。
2004年11月18日
朝、貢山県中心部を車で出発。5年前にようやく開通したという、高黎貢山を東西に越える独龍公路を5時間走ります。山肌ぎりぎりにつくられたでこぼこ道、大きな石や小川をジープで越えて独龍江郷へと向かいます。
独龍公路は11月下旬から4月頃まで積雪のため通行止めになります。 我々がここを通った時もすでに雪が15センチほど積もっていました。 我々が貢山に帰った次の日から通行止めになったとのこと。
独龍江郷に到着し、休憩を挟んでいよいよ車の入れない20キロの岩道を徒歩で巴坡村に向かいます。写真右は、6年生の男の子が荷物運びのお手伝いをしているところ。
今にも切れそうな橋ですが、川沿いに生活をする地元の人々にとっては必要不可欠な橋です。
今回、初めて視察に同行した片岡顧問から、「北京・上海も中国、そして雲南省も同じ中国。こんなに厳しい環境の中にも少数民族が住んでいることに対して、とても表現できない気持ちになります」と感想をいただいています。
いよいよ小学校に到着しました。今夜は小学校で夕食、宿泊します。岩がごつごつとある校庭で夕御飯をいただきました。外には当然電灯がありません、途中から真っ暗になり、火をおこしてそれを皆で囲みました。
2004年11月19日
そして、翌日は子どもたちと対面しました。朝早く教室をのぞくと、電気の無い真っ暗な教室の中で、すでに子どもたちは自習を始めていました。外国からのお客さんにみんなちょっと恥ずかしい様子でした。
文房具やボール、お菓子をを手渡しました。飴は春節の時にもらうものです、今日はみんなにとって特別な一日になりましたね。 子どもたちの足元を見ると、靴がなく裸足の子もいました。
その後は、巴坡小学校に通う子どもの住む家にお邪魔しました。斜面に石を積んだだけの基礎、室内もまた電球が一個あるもののとても暗かったです。