昨年から始まった世界各地で蔓延する新型コロナウィルス感染症は、すべての国の経済に大きな打撃を与え、その多くがいまだにその影響を受けています。 中でも発展途上国の多くの人々が、経済的な面だけでなく、精神的、文化的な面でも打撃を受けていることが地球規模で問題となっています。 感染症の社会的影響は、自然の恐ろしさと人間の弱さを思い知らされるだけでなく、社会的不平等、文化的偏見、経済の麻痺など、人類全ての共有する問題として認識する必要が求められています。
多様性あふれる社会〜思い描く未来を語ろう
昨年はコロナの影響で中止されたグローバルフェスタJapanが、今年は政府の積極的なワクチン政策を背景に開催され、10月9日、10日にリアル会場とオンライン会場同時開催という初の試みが行われ、日本雲南聯誼協会はオンライン会場に参加しました。
このグローバルフェスタJAPAN2021には100以上の国際協力活動、社会貢献活動、SDGsなどに取り組むNPO、NGO、企業、教育機関等の団体が参加し、「多様性あふれる社会〜思い描く未来を語ろう」をテーマに、「多様性と包摂性(diversity and inclusion)」をクローズアップするイベントとして開催されました。
日本雲南聯誼協会では、多様性ゆたかな雲南省の少数民族居住地域での教育支援事業を一貫して行っており、グローバルフェスタでは、改めて少数民族の人々の文化を知っていただき守るべき文化と少数民族の坩堝と言われる、雲南省少数民族の生活について理解を深めていただくことで、人類、特にアジアに住む私たちにとっても、共通の問題として捉えていただくことを目的に展示参加をしました。
雲南省の多様性の世界を知る
雲南省の面積は約39万平方キロメートル、人口は約4,800万人で、イ族、ペー族、ハニ族、タイ族、リス族、ナシ族、スイ族、回族など25の色とりどりの少数民族が暮らしており、協会特設オンライン会場では、少数民族の生活、慣習、服飾、食文化などそれぞれの民族の特徴を紹介します。
このオンライン活動を通じて、現地への直接的な支援だけでなく、国際社会における雲南省の少数民族の存在感を高めていきたいと考えています。 これにより少数民族の社会的なつながりを増やし、交流事業を拡大していくことこそ、国際社会で見過ごされがちな少数民族の貧困による教育問題の解決につながり、同時にアジアの先進国である日本が経済・文化の分野でアジアのリーダーとして過去に日本も体験したこれら問題への取り組みを期待しています。多様性は一人一人の理解と行動により新たな文化を生み出し、継承することが必要とされています。今後とも皆様が当協会の活動にご理解とご協力を賜り、多文化共生の時代に向けて共に歩んでいきたいと思います。