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雲南省には、25の少数民族が暮らしています。それぞれが独自の文化を守り言語、食事、服装、文化、そのすべてが全く異なる25の民族。ここではその魅力溢れる民族風情を紹介してゆきます。雲南省少数民族分布図をこちらからご覧いただけます。

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イ族(彝族)

雲南省で最も人口の多い少数民族で405万人以上と雲南省最大の少数民族です。

イ族は長い歴史を持ち、豊かで多様な民族文化や芸術を持っています。またイ族は独自の言語と文字を持っており、歴史書、文学書、天文書、医学書、宗教的な古典などをイ語で書いており、その中には、イ族の創造叙事詩である『梁山泊』を産みだしました。

イ族は自然、動植物、祖先を崇拝し、天地、日月、山、川、水などに精霊がいると信じており、多くの彝族は、天の神が万物の主であり、人類の運命は天の神に委ねられていると信じていることから、天の神を礼拝することに特別な注意を払っています。

ジノー族(基諾族)

主に雲南省の中部にある景洪市の基諾山地に集り住んでいます。雲南省に住む少数民族の中でも現在人口が約2万人と少なく、豊かな自然に囲まれた40の村に暮らしています。年長者を尊敬し、各村にはそれぞれの“卓巴”(村の父)と“卓生”(村の母)がいて、村や公社の事務を管理します。また、ジノー族は太陽を崇拝し、衣類にも太陽の図案を刺繍しています。そして男性も女性も大きなイヤリングをつけるのが好きです。また原生の茶の樹を大切に保存し、プーアル茶のを作り続けています。

アチャン族(阿昌族)

アチャン族は雲南省で一番古い土着民族の一つ。2世紀にすでに雲南省西方の怒江流域に居住し、5、6世紀には2族に分かれ一部が南西部へ移転、隴川、梁河などの地域に定住しました。アチャン族にも水掛け祭があります。1年間で一番盛大で、人々は山で花を摘み、花のかごと塔を作ります。そして、それを仏の象徴として取り巻き、踊りながら歌います。

回族

回族の分布は“広く分散し、少なく集中する”と言う特色があります。中国全省のすべての県と町にはほとんど回族が住んでいます。 回族はもともと唐宋時代の西北であった“大食”と言う郡の民族を源として発展して来ました。食生活、服装や装飾、出生時の命名、成人式、結婚や埋葬、祭りなどの習慣にイスラムの仕来たりが色濃く残っています。日常生活では、回族はタバコもお酒も飲みませんが、特にお茶を飲むのが好きで、客人をもてなすときに使います。

ジンポー族(景頗族)

ジンポー族は雲南省では主に徳宏州に集まり居住しており大部分は、標高1500メートル前後の山の中腹や山間の小さな平地に住んでいます。ほとんどの村は40〜60世帯で、数百世帯の村は数えるほどしかありません。もともとチベット高原に居住した民族で、約1千年前に南に移住して来たようです。そして、17 世紀以降にミャンマーの北部と徳宏などに定住しました。ジンポー族は勇敢で力強い民族と言われ、民族の団結を一番重視します。


スイ族(水族)

雲南省のスイ族は、もともとスイ族が多く住む貴州三都のスイ族と同じ民族でしたが、古くに雲南省に移住しました。貴州三都のスイ族と長期間離れていたので、言葉も習慣もずいぶんと違います。独自の言語と伝統的な文字を持っており2006年には、最初の国家無形文化遺産の一つとして登録されました。集落は少なく近くのプイ族、チワン族、ミャオ族、イ族と混在して住んでいるのが特徴です。富源県の古敢スイ族郷に住んでいるスイ族は、今でも古来民族の特色を色濃く残した結婚式が残されているのが有名です。


タイ族(傣族)

タイ族は雲南省の南の国境近くの熱帯、亜熱帯の盆地に集まり住んでいます。人々の性質はおだやかで歌舞が好きです。またタイ族の女性の身なりは世界で一番美しいと言われていて、「金孔雀」と呼ばれています。タイ族の祝日のなかで一番盛大なのが水掛け祭りです。水掛け祭りはタイ族の新年を迎える伝統的な祝日で、全国各地から大勢の客が集まり、非常に賑わいます。


チベット族(蔵族)

チべット族は主にチッべト自治区に住んでいますが、雲南省にも約11万人が暮らしています。 人々は主にシャングリラなど、北方の高原に集まり住んでいて、独特の文化を今に伝えています。彼等は自らの言葉と文字を持ち、踊り、音楽、芝居、絵画など、その鮮やかで美しい文化は中国の中でもひときわ輝き人々を魅了しています。チベット族が住む高山に囲まれた標高3000~4000m付近の地域は冬虫夏草、雪蓮、霊芝などの貴重な薬草が採れ、近年は松茸の産地として有名になっています。


チワン族(壮族)

チワン族は中国の少数民族の中でも1500万人以上と一番人口の多い民族です。そのうち雲南省には100万人余りが住んでいます。中国の少数民族のなかでもはるかに長い歴史を持ち、紀元前3世紀には現在の広西省、雲南省に住み、中原の人たちと深いつながりを持っていました。また、チワン族は民謡を歌うことと踊りがとても得意です。


満州族(満族)

満州族は、もともと北方の民族でした。雲南省には7千人あまりがいます。多数は清の時代に雲南省に来たもので、今は主に昆明及びそのほかの所に居住しています。人数が少ないことと、分散していることなどがあって、大きな自然居住区と村落を形成することができませんでした。元来独自言語を持っていましたが、現在その言葉や習慣も廃れてしまいました。


ミャオ族(苗族)

雲南省に住むミャオ族は、明の時代以降、湖南、貴州から雲南省に移住してきました。ミャオ族も悠久の歴史を持っている民族で、2千年前にもう湖南省の洞庭湖とゲン江(沅江)流域一帯に定住していて、主に漁、狩猟と農業をしていました。ミャオ族は踊りも歌もとても上手で、たくさんの有名な歌があります。“採山花”という祝日では、若い男女が歌のやりとりをして伴侶を選びます。


ヤオ族(瑶族)

ヤオ族は風俗と習慣については、その伝統的な特徴をずっと守ってきました。特に男性と女性の服装に著しく現われています。ヤオ族の女性は刺繍が得意で、衣類などはいたるところに精緻で美しい図案と模様が刺繍されています。ヤオ族のお祭りは多く、お祭りやお祝いの日になると、人々は美しい歌を歌います。


ラフ族(拉祜族)

ラフ族は山地に住む山岳民族でミャンマー、ベトナム、タイ、ラオスにも定住しています。ラフとは火で虎の肉を焼くという意味なので、ラフ族は“虎狩り民族”と呼ばれています。 長期にわたる狩猟生活をするため、ラフ族は団結心が強く、相互扶助の精神を身につけ、また年長者を尊敬する風習も持っています。またラフ族も歌と踊りが大好きです。


リス族(傈僳族)

雲南省のリス族は数世紀にわたる移動を繰り返し、最終的に西部の怒江リス族自治州に定住しています。怒江流域のリス族は新中国が誕生した初期にはまだ氏族制度が残っていました。そのせいか、リス族の人々は親切で礼儀もとても大事にすることでも有名です。また、農地が極端に少ない山地に住むことから狩猟民族として有名でした。


ワ族(佤族)

ワ族の男性は彫刻が上手で、滄源地域の岩画はとても有名です。古来より続く象徴的なデザインは現在でも健在で、独特の建物や装飾品にその影響が今でも残っています。また、人々は親切でおもてなし好きで、お客さんが訪ねて来ると、必ず水やお酒をさしあげる風習があります。男性も女性も体に図案を刺る習慣があります。歌と踊りも好きで、春節や祝日の際には人々は3日間歌い踊ります。


プミ族(普米族)

雲南省にいるプミ族の90%は、雲南省の北西部の蘭坪、寧浪、麗江、維西、永勝などの県に住んでいます。プミ族はもともと北西部の青蔵高原の遊牧民族支系でしたが、13世紀の半ばに雲南省に来たとされています。 礼儀正しく、親切にお客様を招待することなどはプミ族の伝統的な美徳的な習慣として継承されています。また、ほかの民族とも友好に付き合ってきたため、衣食住の面で各民族に 大きく影響を与えました。


プイ族(布依族)

プイ族は普通、山間の平地、あるいは、川や谷に近い村に居住しています。男性も女性も、青や黒、白、紺色などの木綿の着物が好きです。プイ族の人々はほとんど年長者を尊敬し、子どもを愛護する社会的な美徳を有しています。災難が一家に落ちたら、村の全員が助けに来ます。また、プイ族の女性は紡織と刺繍が得意です。


プーラン族(布朗族)

プーラン族は雲南省の南のシ−サンパンナの山地に集り住んでいます。この地域は有名なプーアル茶の産地の一つです。プーラン族の人々はほとんど仏教を信仰しています。身なりは質素で、男性も女性も青と黒の服が好きです。また、彼等ははみんなお酒を飲むこと、歯を染めること、喫煙することを好みます。


デアン族(徳昂族)

デアン族はお茶を栽培する長い歴史を持っていて、“お茶の耕作する古い農民”と言われています。デアン族は方言と服飾の違いによって、いくつかに分類されています。また、デアン族は肌に針で図案を刺す習慣があります。一般に腕、太股、すねと胸に、虎、鹿、鳥、花、草などの自分が好きな図案をいれます。


トールン族(独龍族)

独龍族は雲南省でもっとも人口の少ない民族で、怒江リス族自治州貢山県の独龍江の両岸に集まり住んでいます。 彼等は農業、採集、猟をすることで暮しを立てています。家族は団結心と友愛の心が強く、また道に落ちているものがあっても、誰も拾って自分のものとしません。夜も扉を締めません。社会秩序をとても大事にし守る民族です。


ナシ族(納西族)

ナシ族は主に麗江ナシ族自治県に集中し居住しています。ナシ族が 1千年前に創造した象系文字及び象系文字で書いた“トンバ文字”は、ナシ族の文化を世界的に有名にしました。また、寧浪県の濾湖畔で生活するモソ人(ナシ族の支系)は、現在までも母系社会の風俗を踏襲していて、家庭での女性の地位は男性より高いです。


ヌー族(怒族)

ヌー族は主に怒江リス族自治州の中流域を中心に定住しています。 長い間リス族とつきあったため、ヌー族の人々はほとんどリス族の言葉を話すことができます。ヌー族はひじょうに礼儀を重視し、お互いに団結しています。また、彼等は楽器を演奏することが得意で、若い男女が恋心を表現するときは、言葉ではなく、2種類のヌー族の楽器をひいて気持ちを伝えます。


ハニ族(哈尼族)

雲南に住むハニ族は、迫害を受け集団で移住をしてきました。落ち着いた先の雲南省では険しい山地に定住せざるを得ませんでした。しかし自然環境に恵まれ、後年棚田での米栽培が盛んとなり、元陽の棚田が世界遺産に指定されるなど近年は観光地として脚光を浴びています。ハニ族の一番の特徴は、年長者を尊敬し、子供を愛護する伝統的な美徳を持っていることです。知人にしても、知らない人にしても、道で出会ったら、いつも笑顔で接し、親しく安否を問いかけます。また、ハニ族は音楽がたいへん好きです。老若男女は歌も踊りも上手で、普段も楽器を肌身離さず持っていると言われています。


ペー族(白族)

雲南省のペー族の約80%が大理ペー族自治州に住んでいます。ペー族の歴史は紀元前2世紀ごろに遡り、当時、中原の漢族と緊密な経済、文化関連がありました。その影響を深く受けて、現在でも習俗の1部分は漢族と同じです。ペー族は漢字を使って文字を書きますが、自分の民族の言葉があり、多彩な文字芸術を持っているのが特徴です。


モンゴル族(蒙古族)

モンゴル族の祖先は、元の初年に雲南省に戦争をしに来てそのまま残った人達です。 現在、彼等は主に農業に従事しています。モンゴル族は団結し互いに助け合う気風がある民族です。祝日は春節、端午節、松明節、中秋節等があり、彼等の一番好きな踊りは“跳楽”という舞踏で、人々は丸く囲んで踊りながら手を叩いて歌います。

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