第15校目「日中友好木杆林区僑心小学校」開校式
中国雲南省 教育支援

 2007年8月21日、雲南省北東部にある昭通市の大関県という地域に、新たな小学校が誕生しました。
 支援第15校目にあたる本校は、少数民族ミャオ族の小学校で、2006年に発生した大地震により校舎が倒壊、急遽今年度の支援が決定しました。
 学校建設にあたっては、法人会員西部ガス株式会社の資金支援と、同じく法人会員四日市大学の留学生や、暁高等学校・川越高等学校の学生が中心となり、何カ月もかけて集めた募金(1,117,897円)により、実現しました。

 当日、開校式には、初鹿野惠蘭理事長、東京本部七田、四日市大学留学生を代表して留学生支援センター佐藤信行主任はじめ、会員の皆さんが参加されました。


雨季の影響で、学校までの道には
にわか滝と、にわか川があちこちに出現していました
ミャオ族の民族衣裳を着た子どもたちが出迎えてくれました 学校までの道には、驚くほどの人だかりができていました

 昭通市まで飛ぶはずの飛行機が遅れ、式典の開始が大幅に遅れるなど、大きなトラブルに見舞われながらも、会場では子どもたち、地元ミャオ族の村人たちが、歓迎の拍手で出迎えてくれました。
 日本人がこの地域に入るのははじめてのことで、子どもたちは照れくさそうに、隠れてしまいましたが、親や村の大人たちはよく話しかけ、温かく接してくれました。今日もこの式典のため、朝早起きし、朝日がまだ出ていないうちに、山を越えて、この開校式まで会いにきてくれたのだそうです。

ミャオ族流の縁起担ぎの儀式が会場に着いた一行を出迎えました
学校への道に張られた赤い紐の下を水牛の角に入ったお酒をくぐらせます
お酒を飲んでから紐をまたぎ
それを三箇所でくりかえします
度数の高いお酒にふらふらになりながらも、いよいよ新しい学校に到着
後ろ左から)会員の師さん、現地パートナー帰国華僑聨合会李巨濤副主席、初鹿野理事長
校庭に用意された椅子には全校生徒が着席して待っていてくれました

子どもたちが、参列者の首に生徒たちの習慣である紅領巾が巻かれました
日本側参列者も着席。中央左は、四日市大学留学生支援センター佐藤主任

 初鹿野理事長から、当協会を代表してご挨拶。また、現地パートナーである雲南省帰国華僑聨合会の李巨濤副主席からもご挨拶をいただき、日本・雲南聯誼協会の活動へ、また日本の友人たちの善意に対する感謝の言葉が述べられました。
 そして残念ながら開校式典には出席がかなわなかった、法人会員・西部ガス株式会社の代表取締役会長平山良明さんに代わり、事前に文書にてお預かりした小学校開校に際しての喜びが、李副主席より中国語で語られました。

学校の壁面に据えられた記念碑の前で
日本側参列者と現地パートナー
雲南省帰国華僑聨合会の李巨濤副主席から、西部ガスからのご挨拶を朗読
児童代表からのご挨拶
一生懸命な様子に参列者からも拍手
開校式典の前に、子どもと先生が一生懸命練習をしていたテープカット
会員の師さんがバルーンの犬を制作。「犬だ!」と子どもたちはびっくり
子どもたちへボールの贈り物。楽しいキャッチボールに笑い声いっぱい
川口会員からは
日本のお菓子のプレゼント
「いっぱいプレゼントをありがとう」
緊張も少しだけ解れたかな?>
協会と日本の支援者の皆さんへ
感謝状が贈られました
「ほら、見てごらん。これ君だよ!」
デジカメの写真は大人気
現地ミャオ族はカトリックの方が多く、祝いの歌も賛美歌。
堂々とした指揮(左)に、美しいミャオ族の歌声が響き渡りました
現地住民の方々とも
大変仲良くなりました
ミャオ族のスカートを履いて
一緒に踊りましょう!
開校式という大きな舞台で
ずっと練習を重ねてきた出し物を披露
ミャオ族独特の髪型は
みんな一人ひとり違います

 日程通りにゆかず、大幅に予定を変更せざるをえなかったこの開校式は、苦労もひとしおでしたが、開校式で得たものはそれよりもはるかに勝る温かな感情でした。
 山から梨を背負ってきて、是非持って帰ってほしいと笑顔で語りかけてきた村人。自分たちが採ってきたとうもろこしを煮込んだものや、子供たちのメッセージが添えられた水煮たけのこを用意してくれた親や学校。帰りを見送ってくれた現地村人が「一路平安(蛍の光)」を歌ってくれたこと。すべては子どもを思う親たちの、現地の村人たちの、精一杯の感謝の気持ちです。
 「ありがとう」と何度も繰り返しながら、涙を流す村人たちに、私たちも涙が止まりませんでした。言葉は通じなくても心で通じ合える、それを改めて実感した、深く深く心に残る開校式でした。


村人たちの精一杯の感謝の気持ち
とうもろこしがふるまわれました
小学校開校の喜びに
仲良し姉妹の顔もほころびます
日本からの参列者を温かく出迎えてくれた村人たちの無心の笑顔
「ありがとう」「ありがとう」
手を握って、何度も、何度も
開校式を終えて帰路につきます。後ろ姿もとても華やかですね
「どうしてもう帰ってしまうの?」
と、涙を流してくれたお母さん
お別れに「一路平安(ほたるの光)」
を精一杯歌ってくれました

 今回も雲南省側の大きなご協力があり、開校式を無事に終えることができました。そして、特に学校建設に当たり当協会のパートナーとして大いに力を発揮してくださいました現地機関の皆様、ここに感謝の意を込めて以下お名前を記したいと思います。

雲南省帰国華僑聯合会 副主席・李巨濤 / 何艶平

校舎の壁には日本の支援に感謝する記念碑が埋められました>


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